学校法人 順天堂 順天堂大学医学部附属浦安病院学校法人 順天堂順天堂大学医学部附属浦安病院

インタビュー

臨床研究で自治体のモデルをつくり全国に発信。


リプロダクションセンター長
(産婦人科先任准教授)
菊地 盤

順天堂大学浦安病院リプロダクションセンターは、浦安市では初となる、高度先進医療まで行える体制を併設した不妊治療の専門のセンターです。

我々は、2012年より5年以上、がんなどで化学療法や放射線治療が必要となり、卵巣の機能廃絶が予想される患者さんに対する、卵子・卵巣凍結保存を行ってまいりました。2012年には、悪性リンパ腫の患者さんに自身の凍結した卵巣を移植し、日本初となる機能回復に成功しております。そうした先進的な治療や様々な合併症を併発されている方の治療は大学病院の組織力がないとなかなか行うことができません。

その「組織力」を活かした治療の一つが、無精子症などの男性不妊に対するMD-TESEといわれる治療で、泌尿器科と婦人科がタッグを組んで行います。“科”を越えた治療を効果的に行うことができるのも当センターの特色といえるでしょう。

浦安市では託児所の整備や、産後ケアなど、少子化対策に幅広く積極的に取り組んでいます。当センターも市の少子化対策に協力し“リプロダクティブ・ヘルス/ライツ”の啓蒙活動も積極的に行っています。これは自分の意志で、子どもを産むか、産まないか、いつ産むか、何人産むかを選択する権利のこと。女性が最も妊娠に適した時期はかなり限定されていますし、仕事を持ちながら子育てをしていく社会的な整備はまだまだ発展途上にあることも事実です。男女ともにこれらの知識を学生のうちからしっかりと持ち、自身のライフプランを構築することが大切だと考えています。

これらの取り組みの中で、若いときに卵子を凍結保存し、卵子老化による妊娠能力の低下に備える研究事業も行います。卵子凍結自体にもリスクは伴いますし、この方法によって100%の妊娠が保障されるわけでもありません。ただ、この方法のエビデンスが世界的にも無いということも事実であり、市の協力を得ながら、あくまで研究として行っていく予定です。

子宮がん検診のみならず、子宮内膜症や子宮筋腫など、不妊につながりそうな疾患の早期発見も大切なことです。浦安市とともに行う、様々な臨床研究で得るエビデンスが、全国の自治体の少子化に向けたモデルになるように努めてまいります。

脳卒中をゼロにすることが最終的な目標


脳神経内科
脳神経・脳卒中センター長
卜部 貴夫

脳神経疾患、中でも脳卒中は時間との勝負です。救急診療科から脳神経内科、脳神経外科と順番に診療にかかっては時間がかかる。2012年4月に立ち上げた「脳神経・脳卒中センター」の目的は、科の壁を取り払い、迅速に治療を行うこと。リハビリテーションも含めて一つのチームによる診療で、患者さんのリスクを大きく軽減できると考えています。

脳神経疾患は脳卒中だけでなく、パーキンソン病やアルツハイマー病、正常圧水頭症、脳腫瘍などのケースも少なくない。外来と内科、外科がスムーズに連携することで、疾患を見逃さず、適切な治療が可能になります。特に専門医が治療する血管内治療では、内科と外科がスムーズに連携できる「脳神経・脳卒中センター」の役割は大きいと感じています。

脳卒中は発症すると本人を含め、家族の人生が一変してしまう病気。ですから、常に患者さんや家族の立場を考えながら治療を進めていくように心がけています。今のところ急性期治療が中心ですが、脳神経疾患は予防医学が大切。地域の方々に積極的に医療情報を発信し、啓蒙啓発していくことも大きな責務です。脳卒中は寝たきりになる原因の第一位。最終的には脳卒中をゼロにできると考えて、日々取り組んでいます。

科学的な根拠に基づいた救命の可能性を探る。


救命救急センター長
(救急診療科教授)
田中 裕

急性病態に陥ったときには、誰もが「いつでも、どこでも」適切な治療を受けたいものです。救命救急センターの役割は、そうしたときの「最後の砦」となることだと考えています。

2012年には「こども救急センター」を併設しました。世帯年齢が若い浦安市では小児の割合も高い傾向にあります。小児科と連携して、重篤な子どもを集約化することで、適切な治療を素早く行うことが可能となりました。

13年4月には、「脳卒中ホットライン」を開設。緊急の脳血管障害の患者さんを当センターに集約。連絡が入ると、脳神経内科をはじめとする、関連職種の担当がスクランブル体制でスタンバイします。

同年9月にはラピッドカーシステムを導入しました。患者さんが運ばれてくるのを待っているのではなく、医師が現場に足を運び、応急対応を行うもの。ドクターヘリと同じ要請基準を採用し、重傷で高度な医療が必要な患者さんの救命にもつながっています。

厚生労働省は、毎年、患者の受け入れ状況やスタッフ数など、多数の項目で救命センターの運営を評価する「救命センターの充実度評価」を発表しています。私たちの様々な取組みが評価され、千葉県で1位、全国でも16位に入るようになりました。

地域の開業医の方々とより密接な連携ができるように「急いでネット」という取組みも始まりました。受付とか、何科の先生に相談するのかということを省いて、その日の当センターの責任者に開業医の方から直接電話が入る仕組みです。

2年後には病院としても785床へと増床、併せて当センターも増床する予定です。これからも「最後の砦」をさらに強固なものにするために、日々全力で取り組んでいきます。

患者一人ひとりに最適で低侵襲な外科医療を追求。


外科 科長 教授
福永 正氣

「手術で終わるのではなく、その後もずっと患者を支えていく」という考えに立ち、主たる消化器系の疾患(食道・胃・大腸癌、肝胆膵疾患、胆石症など)、乳腺疾患(乳癌など)、急性虫垂炎、腸閉塞などに、一人ひとりの病状に適した治療を選択いただける医療を提供しています。また、がん診療拠点病院の外科部門として高度ながん医療に積極的に取り組み、各専門診療科、がん治療センター、救急救命センター、看護部門、パラメディカルなどと密に連携し、心臓疾患や糖尿病といった他の病気を併せ持っている患者に対しても適切ながん治療を実践しています。

当科の診療の特徴は、「身体に負担の少ない低侵襲治療や手術を選択いただけること」。例えば消化器疾患では腹腔鏡下手術(大腸がん手術では90%に採用)、乳腺疾患では乳房温存療法や、腋窩(えきか)リンパ節を検査して癌細胞の有無をチェックするセンチネル・リンパ節ナビゲーション手術を積極的に行っています。さらに、臍(へそ)の創から胆石やがんを除去する創の見えない「単孔式内視鏡手術」などの先端の低侵襲手術もいちはやく導入しています。

心筋梗塞、心不全、不整脈などの循環器疾患に
診断から外科的治療まで一貫した医療を実践


循環器内科(ハートセンター)
科長 教授
中里 祐二

生命に直結する心臓、血管の病気(虚血性心疾患、大血管疾患、心不全、不整脈など)に、いかに安全性とクオリティーの高い医療を提供できるか――。その使命に応えるべく、診療実績の豊富な専門医と先進的な設備を揃え、診断から外科的治療まで一貫した医療に取り組んでいます。

高血圧、高脂血症など動脈硬化の危険因子を多くもつ人がなりやすい虚血性心疾患(狭心症、急性心筋梗塞など)の診療では、心臓カテーテル検査(※1)や、カテーテルを用いた風船治療(※2)、ステント治療(※3)などを行い、冠動脈バイパス術(※4)などの外科的治療が必要な場合には、心臓血管外科との連携により速やかに手術を受けていただくことが可能です。

不整脈の診療では、電気生理学的検査、ペースメーカー植え込み、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション(※5)を行っており、植え込み型除細動器(ICD)、重症心不全に対する両室ペーシング(CRT)などの手術にも対応。さらに、高齢者の不整脈に多くみられる心房細動の薬物治療にも力を入れており、カテーテル治療との選択や併用など総合的なアプローチを実践するとともに学会にも発表し、医療の進歩に貢献しています。このほか、心不全、血圧異常、弁膜疾患、下肢の静脈血栓症、肺塞栓症をはじめ多岐にわたる疾患にも専門医による高度な診断と治療を行っています。

※1 心臓に特殊な管(カテーテル)を挿入して心臓の状態を調べる検査。
※2 冠動脈に風船をつけたカテーテルを入れて、冠動脈を広げる治療。
※3 風船で広げた箇所を金属の網目でできた筒(ステント)で固定する治療。
※4 冠動脈の詰まった箇所などを迂回して、新しく血液が流れるように血管をつなぐ手術。
※5 カテーテルを用いて心筋組織に高周波を流し、不整脈の回路を遮断する治療。

重度四肢外傷の未来を変える


整形外科
外傷・再建センター長
工藤 俊哉

これまでの外傷医療では、当然ながら「 Preventable Trauma Death (防ぎ得た外傷死) 」を起こさないことに重点が置かれてきました。ただ、救命されても粗大な欠損・機能障害・寝たきりなどの活動性低下が残ってしまうこともあります。中には早期から適切な機能再建に向けた治療をスタートすることで防げる「 Preventable Trauma Disability (防ぎ得た外傷性機能障害) 」と呼ばれるケースもあるでしょう。そうした外傷性機能障害を減らすのが当センターの目的です。

当院では、私が6年前に赴任してから整形外科外傷再建班として各種再建技術を駆使できることを生かし、他県からの紹介をふくめ多くの重度四肢外傷治療にあたってきました。

このたび、「外傷・再建センター」として正式な窓口を設け、他科と連携しつつ重篤な外傷の治療に取り組むことになりました。救急搬送の場合、重度四肢外傷の患者さんも多くいらっしゃいます。再建手術が行える整形外科医が主体の当外傷再建センターでは、創外固定、遊離皮弁、インプラント固定などを同時並行に複合して行うことができるため、「重度四肢外傷の再建治療」を最も得意としています。

実際の外傷治療では皮膚、血管、神経、筋・腱、骨格などの複数の要素を組み合わせながら再建していきます。局所の損傷が大きかったり、複雑だったりなど、一般には困難なレベルの重度四肢外傷例や時間が経過した難治例でも、骨や軟部組織の移植を駆使した再建で患者さんの未来を変えられる可能性があります。

すべては患者さんの利益のために、ぜひ、当「外傷・再建センター」を活用・ご紹介いただければと考えています。

病院DATA

住所
〒279-0021
千葉県浦安市富岡2丁目1番1号
TEL
047-353-3111(代表)
ホームページ
http://www.hosp-urayasu.juntendo.ac.jp/
アクセス
  • JR新浦安駅より徒歩8分。東京メトロ東西線浦安駅2番バス舞浜行、順天堂病院前下車

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