一覧
正論を押し通すことが難しい時代に
正論を貫き通す稀有の医療人(1)
国立がん研究センターをはじめ、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センターの6ナショナルセンターが、昨年4月から「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」に基づき、独立行政法人に移行した。他の国立病院と異なり、それぞれのセンターが独立採算となり、経営に当たる。各センターは理事長も公募から候補を出し、外部有識者による選考委員会で選考することになった。国立がん研究センター理事長の公募要請は、山形大学医学部の学部長として、同医学部の改革に大なたを振るっていた嘉山孝正氏のもとにも。
Cold Spring Harbor 研究所でWatson 博士と対談(2010年9月23日)
「僕はね、最初は国立がん研究センターに来る予定はなかったのです。私を理事長にとおっしゃってくださった方に、そのとききっちりとお断りしたのです。すでに山形大学医学部で20億円の研究(山形大学グローバルCOEプログラム「分子疫学の国際教育研究ネットワークの構築」)の拠点リーダーをしていたのです。日本にはまだ根付いていない高度研究の途中でした。さらに医学部長としても4期目となり、学部長選挙でも票差が10倍という圧倒的な支持でした。しかも脳神経外科教室には弟子がいます。しかし、私を口説いた人からこう言われたのです。『嘉山先生、違うんです。がん研究センターのためだけの改革ではありません。すべての独立行政法人を活性化させるモデルになってほしいのです』と。私はこの国の危うさを肌で感じていましたので、お引き受けすることにしたのです。がん研究センターの改革は一つのモデルでしかないのです。行政刷新というのは、人間刷新なのです。人間の意識改革なのです。ヒトを削れ、カネを削れなんて逆のことをやったら、国は滅んでつぶれてしまいます。〝仕分け〞なんて、ローマの滅亡のころと同じようなことをやっているのです」
(2)へ続く
記事提供:株式会社メディカル・プリンシプル社
2011年9月号より
DOCTOR'S MAGAZINEについてはこちら!>>

- 「患者さんが帰るときの笑顔が私たち医師の一番の栄養になります」
- 嘉山孝正 (かやま・たかまさ)
- 独立行政法人 国立がん研究センター 理事長・総長・中央病院長 山形大学医学部脳神経外科教授
-
1975年 東北大学医学部卒業、同大医学部脳神経外科入局 1978年 独ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン留学 1981年 東北大学文部教官脳神経外科助手 1983年 国立仙台病院 東北大学医学部文部教官脳神経外科講師 1994年 山形大学医学部文部教官脳神経外科助教授 1996年 山形大学医学部文部教官脳神経外科教授 2002年 山形大学医学部附属病院長 2003年 山形大学医学部長 (2004年国立大学法人に移行)〜 2010年3月まで 2009年 中央社会保険医療協議会委員 2010年 山形大学医学部脳神経外科教授 独立行政法人国立がん研究センター理事長・総長 同附属中央病院長
ドクターインタビュー 〜ドクターの肖像 最新記事
- 震災に遺憾なく統率力を発揮。
その底流に「会津什の掟」があった。(4) (2012年05月17日) - 震災に遺憾なく統率力を発揮。
その底流に「会津什の掟」があった。(3) (2012年05月10日) - 震災に遺憾なく統率力を発揮。
その底流に「会津什の掟」があった。(2) (2012年05月02日) - 震災に遺憾なく統率力を発揮。
その底流に「会津什の掟」があった。(1) (2012年04月26日) - “済生”こそ、医の原点。
医療再建に“維新”を起こす(4) (2012年04月19日)
![]()

