院長インタビュー

2017年4月26日

キリスト教的人類愛を診療理念の基調とする聖マリアンナ医科大学病院は、4つの関連病院・クリニックと連携しながら、川崎市北部の地域医療の中核を担っています。過去5年間、医療安全担当副院長として院内体制の強化に尽力するかたわら、大学病院初の「勤務犬」導入などユニークな活動を行ってきた北川博昭病院長に、今後の抱負などを伺いました。

最も弱い人々をやさしく支える病院、救急を断らない病院へ

――病院運営で最も大切にしたいと考えていることをお話しください。

 私の専門は小児外科という分野で、まだ幼い子どもが、さまざまな重篤な疾患、治癒困難な疾患、致死的な疾患を克服するために、小さな体に複数回の手術を受け、その結果、さまざまな障害を背負って、その後の人生を生きていかなければならない、厳しい事例を数多く経験してきました。

 当院は、そのようなハンディを負った子どもや、体力の衰えた患者さんにとってやさしい病院であるとともに、地域と連携しながら、障害のある子どもや高齢者を背後から支えていける病院でありたい。当院の理念である「愛ある医療」をどのように実践するかを考えるとき、まず、このことを強く思います。

 救急医療の門戸を常に広く開放し、「断らない救急」の理想にどのように近づいていくか、ということは大切なポイントです。

 川崎市北部地域の救命救急センターである当院の位置付けを考えれば、1次・2次救急は他の救急指定病院に譲り、当院は3次救急のみ受け入れるという役割分担も可能かもしれません。

 しかし、突然の病気や事故を目の前にして動転している家族や患者さんに、それが1次・2次救急レベルの処置で済むのか、3次救急レベルの処置を要する重症患者なのかを判断させ、それから、適切な病院を選んで来てくださいというのは、そもそも無理な相談です。子どもがスプーンや歯ブラシをくわえた状態で転んだときに、「大したことはない」と頭ではわかっていても最悪の事態を想定して、まずは地域で最も高度な医療機能を持つ病院に子どもを連れて行きたいと思うのは、母親として当然の心情ではないでしょうか。

 私は当院の救命救急センターは、たとえ患者さんが診察の結果、軽症であったとしても、「この程度のことで、こんなに大騒ぎしなくても…」などと言わず、いつでも、やさしく患者さんと家族を迎え入れる場所でありたいと思っています。

北川 博昭(きたがわ・ひろあき)
聖マリアンナ医科大学病院 病院長
  • 1980年3月 聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
  • 1988年6月~1990年2月 米国カリフォルニア州ロサンゼルス小児病院外科 Research Fellow
  • 1986年4月 聖マリアンナ医科大学医学部附属病院 第三外科医長
  • 1995年2月~1996年2月 米国オタゴ大学附属ウエリントン病院 Clinical Fellow
  • 1997年7月 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 小児外科副部長
  • 1998年4月 同大学医学部附属病院 小児外科副部長
  • 2003年4月~2012年3月 同大学病院医療安全管理対策室 室長兼任
  • 2005年4月 同大学医学部附属病院 小児外科部長
  • 2012年4月 同大学附属病院 副院長
  • 2017年4月 同大学附属病院 院長就任

※この記事は2017年4月26日に掲載したものであり、肩書き等の情報は掲載当時のものです。

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