理事長インタビュー

2016年7月1日

高度先進医療からプライマリ・ケアに至るまで地域に密着した病院として定評ある聖マリアンナ医科大学病院。教育・研究機関である大学としては、医療に関する技術開発、臨床研究に取り組み、数多くの成果を挙げている。2025年に到来する超高齢社会を控え、在るべき医療の姿について、明石勝也理事長にお話を伺いました。

地域医療構想の実現へ

――超高齢社会に向かって、どのような医療が望ましいとお考えですか。

 2025年に団塊の世代が全員75歳となり、医療や介護の需要が最大化します。一方、都市部では高齢者人口が急増しますが、地域によってはすでに高齢者人口は減少し始めています。こうした地域格差も踏まえ超高齢社会に対応するには、高度急性期から急性期、回復期、慢性期までの医療機能を効率的に配置し、在宅医療も含め、患者さんの状態に応じた良質な医療サービスを提供する体制を作ることが必要とされています。

 2014年6月に成立した「医療介護総合確保推進法」によって策定された「地域医療構想」では、2025年までにバランスの良い医療機能の分化・連携を実現するためのビジョンを医療計画に盛り込むこととなり、病院のさらなる機能分化が推進されています。

 そのため、聖マリアンナ医科大学の運営する各病院の機能・役割分担を見直すことになりますが、本院は川崎地域の二次医療圏において唯一の高度急性期病院ですから、今まで以上にいかに高次・高度医療を提供するかが、地域の方々に果たす最大のミッションです。

 各病院のミッションは、これまでと若干異なってくると思いますが、特性の異なる4つの病院、乳がんをはじめとする乳腺疾患専門のクリニックをもつ「マリアンナ・ネットワーク」は、結果として地域医療構想で求められる在るべき姿を実現していたということになります。

 病床数の統廃合については、2次医療圏ごとに「地域医療構想調整会議」という協議の場を作り、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、病院団体、市町村などが参加して話し合っていますが、各病院の役割に応じて病床構成を変えていく必要があると考えています。

 また、国は「cureからcare」「病院完結型から地域完結型」「治す医療から治し支える医療」といった方針を推し進めています。住み慣れた地域で、最期まで自分らしい暮らしを続けていくためには、病気を治すだけでなく患者さんのQOLを保持し、ご本人やご家族の希望を踏まえ生活全般を支えるという視点をもつ医療であるべきです。

 私どもは、大学病院としては珍しいといわれるほど、地域の病院や開業医の先生方との連携がうまくいっており、退院後の在宅療養、看取りに至るまでのサポートをより充実させていきたいと考えています。

明石 勝也(あかし・かつや)
学校法人 聖マリアンナ医科大学 理事長

1982年 3月 聖マリアンナ医科大学医学部医学科 卒業
1988年 3月 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了 医学博士取得
1989年 9月〜1990年 11月 米国メリーランド州ボルチモア州ジョンズホプキンス大学循環器科留学
1995年 5月 聖マリアンナ医科大学第2内科学助教授
1997年 7月 聖マリアンナ医科大学大学病院救命救急センター長(2004年3月まで)
1998年 11月 聖マリアンナ医科大学救急医学教授(2005年3月まで)
2002年 4月 聖マリアンナ医科大学病院長(2005年3月まで)
2005年 4月 学校法人聖マリアンナ医科大学 理事長(現在に至る)
2005年 4月 聖マリアンナ医科大学 名誉教授(現在に至る)
       日本私立医科大学協会理事
       川崎市病院協会理事(副会長)

※この記事は2016年7月1日に掲載したものであり、医師名、肩書き等の情報は掲載当時のものです。

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聖マリアンナ医科大学病院

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