【理事長インタビュー】学校法人 東邦大学 理事長:炭山嘉伸

2014年9月1日

東邦大学は、医学部・薬学部・理学部・看護学部の4学部を擁する自然科学系総合大学で、付属校として、佐倉看護専門学校、付属東邦中学校高等学校、駒場東邦中学高等学校があります。また、医学部は大森病院(東京都大田区)、大橋病院(同目黒区)、佐倉病院(千葉県佐倉市)、羽田空港国内線クリニック、国際線クリニック(東京都大田区)の5つの医療機関を有しています。2009年9月の理事長就任後、建学の精神「自然・生命・人間」への回帰を訴え、大学運営、病院運営の改善に取り組んできた炭山嘉伸氏に、現状と将来展望を語っていただきました。(取材日:2014年6月26日)

「やさしい親切な医療」とは?

――東邦大学の建学の精神「自然・生命・人間」は、医療センター3病院の基本姿勢にどのように反映されていますか。

 本学の創立者の1人、額田晉は同名の著書『自然・生命・人間』の中で、自然に対する畏敬、生命の尊厳の自覚、人間の謙虚な心を教育の原点と定めることを謳い、以来われわれは、この3つのキーワードを建学の精神として尊重してきました。自然破壊が進み、命が軽んじられ、人間の謙虚な心が失われたこの時代にこそ、3つの言葉は却って輝きを増していると感じます。われわれは教育者として、医療人として、自然を守り、命を守る。そのためには、人間として謙虚な心を持たなければなりません。医療人ならば、謙虚な心をもって、患者さんにやさしい親切な医療を実践してまいりたいと思います。私は大学でも病院でも事あるごとに、全職員に向かってこのように訴えており、この基本姿勢は本学の3病院すべてに徹底されていると思います。

――「患者さんにやさしい親切な医療を」という基本姿勢は、どんな形で示されていますか。

 まず、患者さんの満足度を高めようということです。そのためには、安全で、質の高い医療が求められます。また、本学の3病院はいずれも、それぞれの地域において中核病院の位置を占めているため、安全で質の高い医療の提供はもとより、救急患者さんに対して24時間体制で対応する使命を負っており、その達成に向かって組織を挙げて取り組み、大きな力を注いでいます。

 患者さんにやさしい親切な医療のもう一つの条件は、「わかりやすさ」です。3病院とも、患者さんがどの科にかかればよいか迷うことのないよう、診療科を細分化せず、臓器別のセンター方式としています。例えば、年間30例以上の腎移植を実施している大森病院の腎センターは、小児腎不全、成人の腎不全、透析、腎移植など各分野が一つのセンターに集まっているので、慢性腎不全の患者さんは、小児でも成人でも、透析でも腎移植希望でも、とにかくまず腎センターに来ていただけばよいという仕組みになっています。

 ただし、診療科をセンター方式に再編成するだけでは不十分な場合もあり、例えば循環器センターで診ている患者さんに呼吸器系の合併疾患があったときは、循環器センターと呼吸器センターとの連携プレーが必要です。この連携が日頃からうまく取れていなければ、患者さんにやさしい親切な医療は途端に立ち行かなくなるでしょう。私たちはこの点にも力を入れております。

聞き手/読売新聞東京本社 編集局医療部・藤田勝

炭山 嘉伸(すみやま・よしのぶ)
学校法人 東邦大学 理事長

1970年東邦大学医学部卒業。1981年からアメリカへ留学し、ハワイ大学・クィーンズメディカルセンター、スタンフォ-ド大学・メディカルセンター、メイヨークリニックを経て、1987年東邦大学医学部教授に着任。2000年東邦大学医学部副医学部長、2003年同大学医療センター大橋病院病院長。2009年より現職。日本外科感染症学会理事長、日本感染症医薬品協会理事長、日本臨床外科学会副会長、日本私立医科大学協会業務執行理事。著書に「外科学概論(南江堂)」「周術期感染の対策(中山書店)」など。

※この記事は2014年9月1日に掲載したものであり、肩書き等は掲載当時のものです。

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